〜難聴、耳鳴りから守る耳栓の着用が認知症予防につながる理由
こんにちは!本日もおつかれさまです。
皆さん、人間に備わっている感覚器官のうち、聴覚の特徴をご存知でしょうか。大切にしなければならない理由があります。
視覚を失うと、これまで通りに歩けませんし、日焼けをすると肌がヒリヒリします。また、嗅覚と味覚に夢中になって料理をしたり、食べたりしますが、聴覚に関しては、残念ながら、通常あまり自覚をすることがないようです。
けれども、一度損なってしまうと非常に厄介なのが聴覚ですので、そうならないよう、ここでは、正しい理解と今からできることなどをご紹介しています。
実際に、聴覚は、損傷を受けた場合、他のどの感覚器官よりも、非常に深刻なものになり得るのです。
【難聴について】
まず、難聴になった場合、収入の減少や、仕事のパフォーマンス低下につながる可能性があります。また、自尊心を喪失し、社会的に孤立したり、鬱病につながることもあります。
非常に騒がしい環境で働いている場合になりやすい難聴のことを、騒音性難聴といい、この場合、早期に発症して苦しむことになります。
特にこうした環境にあるミュージシャン、パフォーマー、クルーやサウンドエンジニア、膨大な数のファンなどは、常に難聴のリスクに晒されています。
近年、専門家は、難聴と認知症が関連していることを指摘しており、以前考えられていたよりも、そのリスクは高まっていると警告しています。
難聴と認知症の関連性について考える時、まずは認知症とはどのような状態なのかを理解し、そうならないよう早い時期から努める必要があります。
本記事では、認知症について、次に難聴の悪影響と難聴の種類について、また、難聴と認知症の関連性に関する、最近の研究についてもご紹介します。
最後に、早期に取り組むための解決策をご案内します。
【認知症とは、どのような状態をいうのか?】
認知症とは、脳の異常な変化の結果としての、記憶および認知機能低下疾患の総称です。非常に深刻な変化であり、これまで通りに独立した日常生活を送ることが難しくなります。
認知症は、行動、感情、そして人間関係に影響を及ぼします。認知症に苦しむ人たちだけでなく、介護をする側にとっても、肉体的、精神的、さらに経済的負担が大きくかかります。
しかし、ほとんどの場合、日常生活に影響が及んで初めて、認知能力の低下を認識し、診断を受けることになります。
海馬の損傷、萎縮は、認知症の一部であり、記憶喪失がアルツハイマー病の最初の兆候である理由にもなっています。これらの病気には、進行するという特徴があり、時間が経つほど激しさが増します。研究によると、認知症の結果というのは、実に悲惨なものです。
※赤い部分が海馬。 出典:Life Science Databases(LSDB)のAnatomography
また、難聴がある場合、認知症のリスクを高めます。その理由を、これから説明します。
【難聴の悪影響とは?】〜男性の方が補聴器を装着しない傾向にある
調査によれば、難聴の中でも、騒音性難聴のリスクが最も高く、最も劇的な結果をもたらすグループとして、まず男性であることが指摘されています。
自然な老化のプロセスとして、ある程度の難聴は予想されますが、多くの場合、それは騒音性難聴です。
治療を受けていない難聴の成人の場合、孤独、不安、鬱病や妄想症を経験する可能性が、非常に高くなります。そして、コミュニティや、ソーシャル活動に参加する可能性の方は、低くなるでしょう。
治療を受けない場合、難聴によって、認知能力への負荷が大きくかかることになります。常に会話に注意を集中し、誰が話しているのかを把握し、その他の雑音もある中で、内容を理解するためには、大きな努力が必要です。
指示内容を理解したり、単に呼びかけに応えるのにも支障が出ることでしょう。誤解が生じた場合は、それによって孤立してしまう可能性もあります。
また、難聴になると、キャリアの発展にも困難が生じることでしょう。研究によると、難聴と失業、または収入の喪失との間には、明確な関連性があります。最初は、職場での単純な不快感から始まります。
中年後期のキャリア全盛期、収入が最高額になる時期と、難聴が発生し始める時期とが重なります。
難聴を発症した際のツールとして、補聴器が挙げられます。しかし、特に男性は、補聴器の装着を拒否しがちです。
International Journal of Audiology によると、補聴器を所有している人の約25%のうち、女性よりも男性の方が、補聴器を装着しない傾向があるとのことです。
現在では、聴覚能力を強化するための、新しく優れたツールもあります。脳を可能な限りアクティブに保つことができ、時間の経過に沿って、聴覚能力を測定してくれるものです。
【難聴の種類と原因は?】
医師は、ある指標に沿って、多少不便になった程度という状態から、非常に深刻なレベルまで、難聴に苦しむ人たちの症状を分類します。
生まれながらに聴覚障害を持つ人たちは、また異なる課題を持つため、ここでは、成人になったのち、聴力に問題を抱えるようになった人たちに焦点を当てて説明します。
・感音難聴
最も一般的な難聴で、感音難聴といい、音を感じる内耳〜蝸牛(かぎゅう)以降に、何らかの障害を受けた時に生じます。主に大きな音によって引き起こされますが、単純に老化の結果である可能性もあります。いずれにせよ、内耳の神経に修復不可能な損傷を引き起こすものです。
この損傷による騒音性難聴は、ライブイベントなどで大音量にさらされることが、典型的な原因として挙げられます。コンサートからスポーツイベントまで、会場の音量は、時に驚異的になる可能性があります。こういった場合に、適切な耳の保護をしなければ、たった1回のコンサートでも、その後長期に渡って、聴覚が破壊的な影響を受けることがあります。
このように、感音難聴のリスクが最も高いグループの1つは、ミュージシャンです。定期的なリハーサルやパフォーマンスを行う人たちにとって、一貫して耳の保護を実施することは、とても大切です。
British Medical Journal によれば、プロのミュージシャンは、そうでない人たちに比べて、騒音性難聴になる可能性が、4倍も高くなります。また、耳鳴りを発症する可能性は、57%高くなります。
出典:Anatomy of the Human Ear.svg
・伝導性および混合性難聴
伝導性難聴および感音難聴と両方の症状を持つ混合性難聴といった、あまり一般的でないタイプの難聴は、伝音難聴と呼ばれます。
これは、閉塞によって、音が内耳に届かなくなる場合に出る症状です。多くの場合、手術によって修復することができます。生まれた時から通常とは異なる形の外耳道を持っていたり、耳垢の蓄積であったりと、何らかの閉塞がある人によく発生します。
伝音難聴と感音難聴の両方のタイプが混在している場合、混合性難聴といいます。この場合、耳栓と補聴器の組み合わせが、適切な処置となる場合があります。
専門家は、患者が普通の声量で話している人の声を聞くのに苦労している場合、わずかな難聴であったとしても、重大なこととして捉えます。重度の難聴になると、非常に大きな音しか聞こえず、通常の音声が全く聞こえていないといった可能性もあります。医師は、難聴が日常生活にどの程度影響しているかなどを、いくつかの指標をもとに診断します。
【難聴と認知症の関連性】
英国のニューカッスル大学の科学者は、健全な脳疾患と、変性脳疾患の接点におけるパイオニアです。研究者は、以下の3つの基本となる考えに焦点を当てています。
①難聴と認知症の両方に共通の原因がある可能性について。
②音に関するインプットが不足した場合、脳が萎縮する可能性について。
これは、側頭葉にある上側頭回、中側頭回など、音声処理に関連する脳の部分の収縮を示す、他の研究をも裏付けるものです。
出典:Henry Gray () Anatomy of the Human Body
※「上側頭回」は、緑色部分の一番上。「中側頭回」は、同真ん中部分。いずれも側頭葉。
③音声が聞こえない場合、脳の資源をより多く使う〜難聴以外の精神的課題に、脳の資源を使えなくなるため、これが認知障害につながる可能性について。
雑誌「Neuron」に発表された研究では、脳の記憶中枢と、聴覚処理のハブの連携について、驚くべき結論に至ったとしています。
例えば、側頭葉は、出来事や身近な場所についての長期記憶と関連付けられています。
ニューカッスルの研究者は、側頭葉は、聴覚情報の操作と、短期記憶の保存にも関与していると言います。研究室では、難聴が、アルツハイマー病の原因となる、タンパク質の生成を直接促進する可能性についても調査しています。
この研究は、シンプルに難聴の回避に焦点を当てることによって、将来の認知症のリスクを減らすことができるということを示しています。耳の神経を損傷から保護する快適な耳栓を着用することで、誰でもアルツハイマー病のような神経障害を避けることができます。
難聴は、収入や家族関係、記憶関連の病気に悪影響を与えることが実証されています。
聴覚の健康を保ち、上記3つの全ての点において、自分自身を守るためにも、誰もが、騒音を減らす耳栓を着用する必要があるでしょう。また、補聴器はアルツハイマー病との闘いにおいても役立ちます。
ある記事には、「アルツハイマー病の薬は素晴らしいですが、脳をコントロールする方が有効です。」と、記されています。
【難聴と認知機能の関係とは?】
以前の動物実験では、動物が、大小様々な聴覚刺激を得た時に、脳の構造変化が観察されました。より大きな聴覚刺激によって、脳組織は厚くなり、より複雑になりました。このことは、樹状突起、シナプスおよび血管系のレベルでも観察されました。
一部の専門家は、認知予備能としても知られる、このレベルの脳の発達が、認知症を防ぐことができると信じています。
言い換えれば、聴覚刺激が、脳の発達と認知機能の増加につながるということです。そして、難聴によって聴覚刺激が妨げられた場合には、脳の変性が起こります。
【認知症を予防するための聴覚保護】
聴覚の健康を維持するということは、聴覚での情報処理能力を維持するということだけではありません。
「難聴は、アルツハイマー病のような、記憶関連の病気を引き起こし、悪化させる可能性があります。早期発症型認知症の一因となるため、これを予防することは、自分自身を守るために、今から起こせる最良の行動の1つです。」
最初のステップは、大きな音によって、聴覚系が損傷を受ける可能性のある環境では、耳栓を装着することです。特に、ミュージシャンなど音楽関係の方々にとって、小さなステージから、大きなスタジアムまで、何十年にも渡って耳を保護するためには、早期からの予防策が不可欠です。
以上です。難聴と認知症との関連性に関する研究は、非常に興味深いですね。
聴覚への刺激が減少すると、脳の変性にも影響するということや、そうなるのを避けるためには、まず難聴にならないよう、騒音にさらされる環境下では、耳栓を装着するということ。
耳の健康を守る大切さを理解し、早期予防が肝心ということが分かりました。
ぜひ今からでも、耳の健康に気を配っていただければ幸いです。
それではまた!
日常で快適にお使いいただけるEarPeaceの耳栓は、難聴を防ぐためだけでなく、耳鳴りの予防にも最適です〜